ガオ!

主成分は乃木坂46の北野日奈子

誰も私の人生に立ち入るんじゃない

千秋楽から1週間ですね。

10/9(日)に嫌われ松子の一生 赤い熱情篇を観劇してきました。

赤い熱情篇の主演は桜井玲香

(Wキャストで黒い孤独篇の主演が若月佑美

 

昨年のすべての犬は天国へ行くのキキ役の玲香ちゃんを観て、

「とんでもないものを観てしまった・・・」という衝撃があって

また玲香ちゃんのお芝居を観たいと考えていました。

リボンの騎士は観にいけず、

じょしらく弐チームくを観て年齢の演じ分けがとても印象的でした。

いくつかの舞台経験をかさねて今回の嫌われ松子の一生

観劇後はしばらく口も聞けず、その後1日体調を崩してしまうほど、

毒のある舞台でした。

 

川尻松子という女性が何人もの男性と関係を持ちながら、

破滅的な人生を送るというのがあらすじなのですが、

私が文字にしてしまうこんなにも簡素になってしまうのか・・・。

 

舞台というものは演出がありますから、

どれもこれもが私にとっては刺激がつよくこめかみが震える思いでした。

特に赤木と旅立ちとクロスする松子の決断のシーン。

花が咲いたような笑顔浮かべて駆け出す松子と、

ひとり旅立つ赤木が舞台上ですれ違う演出がたまらなかった。

これが舞台か・・・!と。

セット以外の場面補完は観劇する側の技量だと思うのですが、

舞台に明るくない私にとってこのシーンは未だに強く印象に残っています。

 

桜井玲香の演じる川尻松子は常にギリギリではりつめていて、

それでいてその運命を知っていましたよと言わんばかりに当たり前に受け入れる。

私の感受性の中にはない感情を持ち合わせている人でした。

おかしな人でした。

「誰も私の人生に立ち入るんじゃない」と叫ぶ姿に、

手を伸ばしたくて仕方がなかった。

 

叫ぶ声が聞こえる。

八女川に、岡野に、赤木に、小野寺に、島津に、龍に、父親に。

訴えるわけではなくて、気づいてほしいわけでもなく、

わかっていた自分を罰しているようだった。

言い訳じみていた自分、

縋るしかなかった自分、

気づかないふりをしていた自分、

止めることができなかった自分、

忘れないでと言えなかった自分、

逃げる背中を追いかけなかった自分、

自分で自分の人生を罰しているようだった。

美しい人だったのだろうか、そうだったら彼女は救われるだろうか。

少なくとも私はそうであってほしい。